仙台おもちゃ美術館 設立準備プロジェクト!
<基本情報>
- 受入先:株式会社コンパス・ファクトリー
- 所在地:宮城県仙台市
- 設立:2009年7月1日
- 事業:建築・木工製作・デザイン業務
- プロジェクトメンバー
- 受入企業3名(代表取締役、経理・総務部長、社員)
- プロボノ9名(宮城県1名・県外8名 / 女性3名・男性6名)
- 協働コーディネーター(コラウェイク)1名
- 実施形態:オンライン(Zoom)を中心に対面も併用
- 期間:2023年8月~2024年4月
<プロジェクトについて>
- 「仙台杜のおもちゃ美術館(仮称 以下同様)」設立構想の背景
経営陣(板橋夫妻)の志をもとにスタートしました!
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仙台は東北で一番人口が多い市で交通の便も良いが、幼児から⼤⼈までいっしょに遊べて、学べて、楽しめる施設が少ないので、目玉となる場所をつくりたい。「杜の都仙台」とのコンセプトにもマッチしている。
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木育事業を広めて、次世代を担う子ども達を、木の大切さ、素晴らしさを知る大人に育てたい。
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デジタル化の時代に、触覚・嗅覚・視覚をリアルに体感できるアナログな施設を子ども達に提供したい。
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自社の経営理念のなかに、「ものづくりの楽しさを伝えることで、子どもの自由な発想と創造性の向上や家族の絆作りの応援をし、明るく笑顔あふれる社会に貢献する」ことがあり、この経営理念を実現したい。
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社員が設⽴に直接携わり、空間創りをしたことを、胸を張って家族に説明できる施設を創ることで、仕事の楽しさと誇りを感じ取ってほしい。
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コンパス・ファクトリーの「木育事業」のブランドを高め、企業価値を強化したい。
- 課題
仙台に「木」をメインにした美しく楽しい施設を創りたいが、今あるのは青写真であるため、新規事業づくりに必要な一連の取り組みが必要 - プロジェクトの目的
①「仙台杜のおもちゃ美術館」設立に必要なこと、リソースを明確にする。
②必要なリソースが手に入り、設立・運営の準備ができるよう、事業計画を立てる。
③事業構想・計画をつくることで、ステークホルダーに相談に行きやすい土台をつくる。
④実際に働きかけをスタートし、協力者、潜在顧客を獲得していく。
基礎分析
取り組み内容
- 基礎分析一式
成果物
- 各分析結果
先行事例リサーチ
成果物
- リサーチ/ヒアリング結果まとめ
- 考察まとめ
顧客の理解
取り組み内容
- アンケート&インタビュー
- ペルソナ分析
成果物
- アンケート&インタビュー結果
- 考察まとめ
仙台おも美の構想
取り組み内容
- 仙台杜のおもちゃ美術館の全体構想づくり
成果物
- 構想をまとめたスライド
候補地・物件探し
取り組み内容
- 候補地・物件のリサーチ
- 候補物件の所有者向けのスライド作成/訪問アポイント
- 候補地・物件の現地視察
成果(物)
- 訪問先向けスライド
- 協力者の獲得
- 候補地・物件、訪問結果の比較スライド
- 候補地・物件の発見
東京おも美 訪問
※「仙台杜のおもちゃ美術館」の設立には、東京おもちゃ美術館様の了承・監修が必須
取り組み内容
- 東京おもちゃ美術館様向けの資料作成
- 東京おもちゃ美術館様の訪問
成果(物)
- 東京おもちゃ美術館様向けの資料
- 東京おもちゃ美術館様(館長・副館長)との情報交換、協力の意思表示の獲得
事業計画づくり
取り組み内容
東京おもちゃ美術館様からのアドバイスをふまえ
- 収支の見える化、財務計画づくり
- マネタイズに関するリサーチ、資金計画づくり
- 運営体制の考案
- 事業計画づくり
成果物
- 仙台杜のおもちゃ美術館企画書(収支・資金計画含む)
- マネタイズの調査結果、マネタイズ案
- 収支シミュレーション表(自動計算)
協力・連携先探し
取り組み内容
- 協力・連携先候補出し
- 協力・連携先候補のリサーチ/訪問
成果(物)
- 協力・連携先リスト
- 協力・連携先の一部獲得
- その他の成果(企業様より)
- これまで、おも美の計画は経営陣だけで考えてきたが、今回、社員1名が自らの意思で参加してくれ、活動してくれた。企業としての可能性が広がるとともに、彼自身のポテンシャルが上がった。
- 観光地での立ち上げの可能性、メリット・デメリットをシミュレーションでき、今後の参考にできる。
- 関係各所に出向き、担当者さんから最新情報や図面を入手できたり、実際に建物内を見学できたことで、分析・構想に具体性をもたせることができた。
- 社員が一人でも参加することで、ほかの社員から「おも美はどうなっているの?」と聞かれることもあり、以前より風通しが良くなってきている。
- 受入企業の声
【経営者様より】
- 「当プログラムの全体的な満足度:120%」
- 「プロジェクトが進んでいくにつれ、これまでの夢がこうしていけば実現できるのだという確信に変わっていった。皆さんの実働と応援によって背中を押され、1年前とは全く違う自分が今ここにいる」
- 「情報収集、分析、シミュレーション、候補地探し、事業計画策定、その他全てにおいて予想以上の成果を受け取ることができた。お願いして本当に良かった」
- 「議事録、役割分担、見守り、軌道修正、目標達成への後押しなど、協働コーディネーターがいてこそプロジェクトが進んでいけるのだと思った」
【社員さんより】
- 「プロボノの皆さんのスキルのすごさは圧巻で、成果物を含めて刺激になった」
- 「社会・経済の動き、そこからの人の思いや目的の実現に必要なことをすくい取り、”どうすればできるのか”のみを考えるプロジェクトを体感することができた」
- 「議事録、役割分担、見守り、軌道修正、目標達成への後押しなど、協働コーディネーターがいてこそプロジェクトが進んでいけるのだと思った」
- プロボノの声
=感想=
- 「経営者のリーダーシップ、想い(Soul)に触れることができ、戦略も大切だが、強い想いは最大の武器になると実感した。周りを巻き込んで、動かして、素晴らしいおもちゃ美術館ができると思う」
- 「企業側メンバーの愛情と、常に言葉を前向きにとらえてくださる姿勢に安心して発言することができた」
- 「おもちゃ美術館を1から民間で立ち上げるという、プロセスの上流に参画し、自身がこれから企画を考えていく上でとても勉強になった」
- 「特に、後半からの、プロジェクトが具体化していく様子にワクワクし、大変貴重な経験ができた」
- 「企業への貢献と自己成長の両面で自発的に動こうとするメンバーが全国から集まり、多方面からの意見を聞くことができて、新たな気づきをたくさん得られた」
- 「未知の領域においても、外部環境から丁寧にリサーチすることで、事業の道筋が見えてきた。このことから、実務においても、外部環境の変化に目を向けることで、新たなイノベーション手段の発見に繋げられると感じた」
=学んだこと=
- 「本業もあって忙しい中で、いかに貢献できるかということを問われているのがプロボノの場なのだと感じ、非常に大きな学びになった」
- 「漠然としたアイディアから具体的な計画に落とし込んでいくところまで関われたことで、事業を形にしていくプロセスを学んだ。起業や新規事業に対する心理的な壁がかなり低くなったように感じる」
- 「悲観的な考えが先行してしまうことがあったが、どうすれば実現できるのかという考えで、前向きに取り組むことの大切さを学んだ」
- 「プロジェクトの立ち上げ時点からビジョン・ミッションを明らかにする必要性を改めて実感した」
- 「スキル的には、純粋なビジネスとは異なる文化活動における資金集め、仲間集めに関するノウハウ、予測財務諸表の作成方法」
=今後の抱負=
- 「ミッションに取り組む中で、自身の志の醸成を深める経験ができた。目指す分野で資格取得をしたい」
- 「MBAとファンドレイザーの掛け算で、社会文化資本となる施設の資金調達を支援したい」
- 「事業計画作成のための、ストーリーづくり、収益計画作成等の力を強化したい」
- 「自身の目指す社会づくりに向けて、まずは現業において、場づくりの力を高めていきたい」
- 「現職で頑張る+もう少し落ち着いたら、おもちゃ美術館にふさわしい木のおもちゃの製作に挑戦したい」
- 「地元の地域の活性化に関わり、地域と関わり続けたい」
- 「いろんな人に、事業計画書を見せて回りたい。みんな仙台おも美の設立を待ち望んでくれおり、協力もしてくれるので、すごくやりがいがある」
- 「仙台おも美の活動を通して、仙台・宮城に貢献したい。おも美も含めて、”コンパス・ファクトリーらしさ”をもっと発揮していきたい」
=協働コーディネーターへのコメント=
- 「プロボノに初参加で慣れない中、メンバーへのリマインドを絶えず行ってくれたのがありがたかった」
- 「全体ミーティングの日程管理や、他のプロボノの事例を紹介して貰えたのが助かった」
- 「メンバーの作業や進捗を把握しつつ、常に第三者の目線でサポートを入れてくれたので、みな安心してスムーズにプロジェクトを進めることができた」
- 「ミーティングとミーティングの間で、各チームに分かれて活動している時に、スタックしそうなところを進めるようサポートに入ってくれたのがありがたかった」
- 「マネジメントの立場からはっきりと意見を伝えてくれて、チームとしての迷いが吹っ切れた。また、迷走しているときに軌道修正して貰えたのがよかった」
- 「実務では、外部環境から事業計画書に落とすプロセスを経験したことがなく、議論の軸があいまいになりそうなところを要所で押さえて貰えて安心した」
- 担当コーディネーターより
地元企業さんの経営陣(板橋夫妻)の夢を実現すべくスタートしたプロジェクトです。「私たちの年齢だと、将来、運営して成果を出すまでを考えた時に、今から始めないと間に合わない、実現できないで終ってしまう」との言葉に、私も精一杯伴走したいと思いました。
経営陣二人の温かいお人柄と、いつも前向きで手足を動かしてくださる社員さんのおかげで、プロボノのみなさんがイキイキと活動されていたのが印象的でした。
宮城在住のプロボノメンバーは1名でしたが、いつも率先して活動してくれ、あっと驚く成果を出してくれたり、斜め上をいく資料をつくってくれたりして、笑いの絶えない、和気あいあいとした8ヵ月間になりました。
先行事例のリサーチでは、全国各地におもちゃ美術館があるので、それぞれ、近場に住んでいるメンバーが現地調査・インタビューに行くなど、プロボノの居住地が多様なことが活かせたと思います。
板橋夫妻の車で東京おもちゃ美術館さんまで一緒に訪問させていただいたのもいい思い出です(コンテンツはもちろん、運営されている方々もとても温かくて素敵でした。こんな素敵なおもちゃ美術館が仙台にできるのが待ち遠しいです!)。
本気の経営陣、自分事として主体的に取り組む社員さんと、居住地も年代も職種も多様なメンバーが、各自の得意分野を活かして協働した結果、候補物件が見つかり、仙台らしさを加味した事業計画(東京おもちゃ美術館さんの監修が必要なので、正式な事業計画の前段階にあたるもの)をつくることができました。また、関係各所にアタックしていく中で、協力くださる方も増えてきています。
あらゆる団体・個人に相談に行きやすい土台ができたので、今後も積極的に動いていき、協力の輪を広げていっていただきたいと思います。仙台杜のおもちゃ美術館の設立が今から待ち遠しいですし、またスピンオフしたテーマで協働できるのを楽しみにしています。