飲食店の開業応援プロジェクト!
<基本情報>
- 受入先:株式会社ゾウケイ社
- 所在地:宮城県仙台市
- 事業:ディスプレイ業(飲食店、オフィス等)
- プロジェクトメンバー
- 受入企業3名(代表取締役、取締役、社員)
- プロボノ8名(宮城県3名・県外5名 / 女性3名・男性5名)
- 協働コーディネーター(コラウェイク)1名
- 実施形態:オンライン(Zoom)を中心に対面も併用
- 期間:2023年4月~11月
<プロジェクトについて>
- 課題
お店を出す時に、「居抜き」(前のお店を引き継ぎ、内装等を変える)を使うことでかえって高くついてしまい、使い勝手も悪い場合があるので、これを克服すること。 - プロジェクトの目的
・開業者の予算内で、「居抜き」を使わずに夢を叶える店舗設計サービスを独自に開発・展開する。
・事業の柱を増やし、経営を強くする。
・新サービスの開発のプロセスに、社長以外を巻き込む(人財育成)。
- 協働での取り組み内容と成果物
基礎分析
取り組み内容
- 基礎分析一式
成果物
- 各分析結果
顧客の理解
取り組み内容
- 顧客インタビュー
- お客さまの飲食店に食べに行く
- ペルソナ分析
成果物
- 顧客インタビューレポート
- カスタマージャーニーマップ
新サービスづくり
取り組み内容
- サービス設計
成果物
- ビジネスモデルキャンパス
- CVPシート
プレ営業
取り組み内容
- 不動産会社へのヒアリング
- 提案ツールの作成
成果物
- ヒアリング結果のまとめ
- 提案ツール
- 協力見込み先の獲得
マーケティング
取り組み内容
- マーケティング戦略づくり
成果物
- マーケティング戦略レポート
営業・販促
取り組み内容
- 営業・販促ツールの洗い出し・選定
- ツールの作成(ChatGPTも活用)
- 営業の仕方、販促ツールの使い方の提案
成果物
- フライヤー案
- 三つ折りリーフレット案
- SNS用動画デモ
- 営業方法の提案書
広報PR
取り組み内容
- 広報・広告手段の洗い出し
- SNS比較/広告調べ
成果物
- HPへの掲載案
- SNSの広告案
- その他の成果
- 顧客インタビューを通じて、自社が顧客に提供出できている価値、提供するべき価値が明確になった。
- 自社の強みをより活かしながら利益率も上げられる、当初の顧客層とは別の層を発見できた。
- 既存・新サービスに関し、今後の打ち手が明確になった。
- 社員が、新サービスを生み出すプロセスに参加し、実地でノウハウを身に付けることができた。
- 受入企業の声
- プロジェクトを行っていなかったら、既存顧客に新サービスの提供を行っていたと思うが、プロボノのおかげで、ゾウケイ社が強みを発揮できる新たなターゲット層を明確にできた。また、そのターゲットへのアプローチ方法も考えることができて非常にありがたかった。
- 毎回の全体ミーティングまでに、プロボノメンバー同士での意見交換、情報分析、施策出し、資料まとめ等、時間をしっかり割いていただけたのが有意義だった。
- 基礎分析では、我々の気づかない視点で、隅々までリサーチしていただけて解像度が上がった。競合リサーチでは、他社に負けないゾーンが明確になった。
- 協働コーディネーターには、全体管理を担って貰い大変助かった(毎回の打ち合わせの進行、スケジュール調整、次回会議までの準備物等)。また、不明点が生じた場合、迅速に回答・対応して貰い、スムーズで助かった。
- プロボノの声
=感想=
- 業界を知らない人間からみた視点で、ゾウケイ社、個人飲食店オーナー、競合それぞれの立場に立って考え、忌憚なくやらせていただけた。
- 最近受講したキャリアアセスメントで、色々な人が集まる組織、今まで経験したことのない事業へ飛び込むことで経験の幅を更に積むことができるとアドバイスがあった。今回、私自身の経験とは全く接点のない業界で、新たな事業へ飛び込んだ形であった。まだデータが揃わない中で何らかの経営判断をするときの感覚を経験できたように感じている。またこのような機会があった際には挑戦してみたい。
=学んだこと=
- ゾウケイ社さんのお話や顧客インタビュー等を通して、ゾウケイ社さんの強みである顧客へ寄り添う姿勢が大変勉強になった。
- 顧客インタビューで、ゾウケイ社さんがとても信頼されていることが分かった。仕事の成果はもちろん、顧客とのコミュニケーションが信頼に繋がっていると思った。自社や自分ももっと顧客や周囲のメンバーとのコミュニケーションを意識したい。
- 本業が公務員だが、机上の理論でなくビジネスの現場の肌感覚から、リアルな判断等、多くを学ぶことができた。
=今後の抱負=
- 他の社会人との協働で、自分の足りない点が分かったので、その部分を今後挑戦していきたい。
- 今回の新サービスを立ち上げる経験を活かし、本業でも新規事業を立ち上げたい。
- 新サービスの立ち上げやSNSを駆使したマーケティングを今後のキャリアに活かせると思う。
=協働コーディネーターへのコメント=
- 個性派揃いのメンバーだったのでまとめるのが大変だったと思うが、全体的にまとめて貰えてよかった。
- プロボノの理解とゾウケイ社さんの理解に乖離があった時に、両者の橋渡しをしてくれたのがよかった。
- プロジェクトが進まなかったり、困ったりした際や、議論が発散して進まない時など、適切なタイミングでフォローして貰えた。
- 毎回の打ち合わせで、何を実施すべきなのか丁寧にまとめて貰えたことで、それを参考にしながら参加することができた。
- 初めてプロボノに参加したが、全体の道筋を作り、進行管理もしてくれたので、安心して取り組むことができた。
- 担当コーディネーターより
今回は、新サービスをつくり、よりマッチする層にお客さまになっていたたくことで、お客さまの課題を解決しながら、ゾウケイ社さんの仕事の効率・生産性・利益率の向上を目指す取り組みだったと思います。
基礎分析で、これまでのデータをもとに分析した結果、新たな狙い目も分かるなど、感覚だけでは困難な部分にも切り込み、結果を見て、ゾウケイ社さんも柔軟に決断されていたのが印象的でした。
ChatGPTも初めて活用し、新鮮な目線からのアイディアにハッとしたものもあれば可笑しなものもあり、皆で笑ったのが楽しく思い出されます。また、お客さんとゾウケイ社さんへの理解を深めるため、お客さんの飲食店に食べに行った時に、普段はZoomでしか会えない遠方のプロボノメンバーが、出張の機会を活かして参加してくれたことも貴重でした。
進行面では、ゾウケイ社の若手社員さんが、事業の目的をしっかりと理解し、目の前の仕事で忙しい中、実務の部分をがんばって進めてくださったことが大変ありがたかったです。プロボノの皆さんも個性豊かで前向きな人が多く、それぞれのキャラや得意なことを活かして活躍くださり、和気あいあいと活動することができました。
しっかりとしたビジネスモデルができたので、実行に移した時に想定との検証がしやすく、動いた分だけ素直に結果に結びついていたと思います。
新サービスの場合、モデルやしくみを創った後は、行動量が物を言うので、有言実行でどんどん動き、高速PDCAを回していっていただきたいと思います。